any-story’s blog

今日もどこかで物語が

また会えるかな?

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私は人の日記を読むことが好き

 

この人は、あっつあつのコーンポタージュスープを勢い良く飲んでやけどしたようなの!

 

おっかしい!

 

ふうふうしなかったのかしらね。ウフフ

 

あら。近所の男の人が市場で買ってきたばかりのトウモロコシを使って作ってくださったようよ。

 

ご近所付き合いがよくって!

 

 

次の日は別の人の日記のようね。

 

この人も訪ねてきた方と一日を過ごされたようね。

 

外に出て、お散歩をしたと書かれているわ!二人とも積極的ね。

 

近くに大きな池があって、キャンプもできる場所があるようね。

 

初めて行ったようで、とても興奮している様子!

 

丁度いい木陰で、シートを敷いて、サンドイッチを食べたようね。

 

素敵な一日ですこと。

 

 

 

 

ピーンポーン

 

 

 

 

あら、誰かしら?

 

「初めまして、近くに住むタウロと言います。

 

最近越してきたので、挨拶にと。」

 

 

 

あら、わざわざありがとう。

 

 

「これ、うちで作っている野菜です。

 

さっきとったばかりで新鮮ですよ。お近づきの印で、どうぞ。」

 

 

や、ご丁寧な方ね。

 

「お一人で住まれているのですか?」

 

 

そうですよ。

 

 

「丁度お昼だし、これ一緒に食べませんか?」

 

 

そうね、、

 

「ぼく、町で調理師しているんです。」

 

あら、そうなの?

 

 

「野菜ゆでるだけですけど、とてもおいしいですよ。

 

簡単にソースも作りますね。」

 

 

あら、ありがとう。

 

 

(男性は、料理人だからでしょうか、うちのキッチンでも、手際よく料理をしてくれたわ。)

 

 

そのあとは、飼っている犬が逃げ出して山を駆け回った話とか、市場でスイカを卸した時に、荷台が外れて坂道を全部のスイカが転がりだしたこととか沢山お話してくれたわ!

 

そして、積み上げてある日記を一緒に読んでくれたの。

 

 

そこでタウロさんは私にこう提案してくれたわ。

 

 

「今日のこと、ぜひ日記に書いてください」だなんて、

 

 

私日記読むばかりなのに。。

 

 

でも彼はまじりっけなしのまんべんの笑みで、「一緒に書きましょう!」と手をとってくれたの。

 

 

じゃ、じゃぁ

 

 

今日あったこと、、野菜を一緒に食べたわね。

 

 

 

「どうせなら、朝起きた時から書きましょう!」

 

 

私驚いちゃって、

 

 

でも、確か小鳥のさえずりで目覚めたわね。

 

「それから??」

 

えーっと、薪を取りに外に出たら、草木に霜が降りていて、とても寒かったのよ

 

 

それから・・・

 

 

 

タウロさんと食事をして、

 

読書やここに置いてある誰かの日記を読むことが心地良くって、、

 

 

暖炉の温かさもいいわね。

 

曇った窓をぬぐって、月灯りに照らされた雲を見るのもいいわね。

 

 

お話をしながら今日あったことを書いたら何ページにもわたってしまったわ!

 

 

「今日、出会えてよかったです。

 

今日は寒くなるようだから、温かくして寝てください。」

 

 

そう言って、彼は帰って行ったわ。小川の音が響くほど落ち着いた夜だったわ。

 

 

 

 

でもいいのかしら。誰かの日記に書いちゃったけど、

 

当の本人は今日の日記をどこに書いたのかしら。

 

 

とても話易い人だったわね。

 

毎日、会っている人みたいだわ。

 

 

 

 

私は日記を閉じ、もうなん十冊もある本棚の一番端に、

 

そっと差し込んだ。