any-story’s blog

今日もどこかで物語が

地球、感じてる?

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寒さ、暗さ、硬さ・・だからこそ感じる。地球

家にいると心地よい空間が広がる。

キャンプに行くと、必ずしもそうではない。

 

だからこそ、ありのままの自然を味わうことができる。

 

「さっむーい!」

「ひょえぇぇ 暗いねぇ」

「寝袋うす・・(笑)」

 

焚火の温かさがありがたく

夜空の星々の存在感に気づき

中合わせの地球に心臓の音を探すことができる。

 

高校2年生山岳部の田中りさは、新入部員の女子2人とキャンプにやってきていた。

夏のアルプス登山に向けての肩慣らしといったところだ。

 

「せんぱーい!薪めっちゃとってきましたー!!」

「あれ?佐奈ちゃんは?」

「川の方に行ったきりですよ!釣りしてるんじゃないですかーw」

 

 

日も落ち、日中に焚きだした火が丁度いい色合いに仕上がっている。

簡単なスープを作り、3人でニコニコしながら食べた。

アウトドアなアイテムに囲まれ、新人2人はテンションが上がっているようだ。

 

何もないと、ないなりに五感が情報を収集し始める。

焚き木のはじける音、渓谷の流れ、木々のざわめき。

その場所にある落ち着いた自然の香り、スープのにおい

木炭の赤さ、夜空の明るさ

 

「あ、スマホ禁止だよ」

「え、そうなんですか!!??」

「そうそう、前の部長のポリシーでさ、今を楽しむために、スマホおいてくるくらいの人だったのよね」

「えー!家においてくるんですか!」

「そうそう、ストイックすぎるでしょ笑」

「さすがに置いてはこないけど、電源は切るくらいはしてるかな。」

「なんでですか??写真とかとりたいですー」

「写真はいいと思うよ。ただ、今に集中できなくなるともったいないってことなの」

 

そういって田中先輩は、立ち上がり、テントに向かった。

 

「はい、マシュマロ!」

「わー!あれですね」

「あれって?」

 

キャンプマシュマロー!!

 

今を楽しむ、今を感じる。

 

 

そこにしかないもの、その時にしかないもの。そこにいる人達。

かけがえのないものに、私たちは囲まれて生きている。

 

~家の庭で、公園で、浜辺で、スマホの電源を切って、地球を感じよう~

 

~割りばしや竹串に差し込んで、コンロのとろ火でやってみよう~