any-story’s blog

今日もどこかで物語が

世界旅行の入り口で

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旅は自分探し

”ピーンポーン”

搭乗の合図を促すチャイムが響く。

空港の天井が高いためか、その独特な距離感が”その場ならでは”を伝えてくれる。

 

搭乗に必要な全てのチェックを済ませ、ショルダーバック一つの身軽な姿になった。

荷物が手を離れ、気持ちも軽くなる。

心地よい時間帯。

 

コロナ明けの初めての海外旅行。

思い切って無糖のコーヒーをオーダーする。

ドリップの香りがこの旅全てを記録するがごとく、鼻孔に吸い込まれていく。

 

大きな窓の向こうを眺める。

準備を済ませた旅客機が次々と飛び立っていく。

 

旅をすることでこれまでの自分を振り返っている気がしていた。

別の世界に赴くことで、自分の執着をいったん手放すのだ。

自分と日常の手綱を離すことで、これまで信じて疑わなかった当たり前を客観視してみる。

 

今回の旅で何が見えてくるのか。

これまでの時間の何が課題だったのか。

集大成とも言える旅路私にはなくてはならないピリオドである。

 

いつしかコーヒーの香りも”現在”の一部となっていた。

変化点を作らないと、日常に気づかない。

変化点もやがて日常の一部になる。

 

新しいチャプターへの扉は、いつもここにある。

 

 

 

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